【自作PC】ファンの回転数を上げるほど冷却できるのか検証してみた

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こんにちは、オニオンです。

最近、自作PCネタが続いていますが今回もその続きです。これまでグリスの塗替え、CPUクーラーの交換を行ってきました。その結果、合わせて約20℃温度を下げることが出来ました。今回は静音化のためにファンの回転数を下げると、冷却性能にどれぐらい影響が出るのか検証したいと思います。

ファン構成

まず、私の自作パソコンの構成を紹介します。

項目スペックパーツ
CPU6コア6スレッド、2.8GHz(4.0GHz)Intel Core i5-8400
CPUクーラートップフロー、高さ45mm Ainex IS-40X
グラフィックボードCPU内蔵インテル® UHD グラフィックス 630
ケースMini-ITX、(W)149mm x (H)257mm x (D)224mmLIAN LI PC-Q21
電源450W、SFX  SilverStone SST-ST45SF V3
ケースファン12cm角×1枚(吸気)Ainex CFZ-120SA

ケースはMini-ITXの中でも最小クラスのLIAN LI PC-Q21。

ファンはケースの底面に12cm角25mm厚のものが吸気のために付いています。このファンの最高回転数は仕様では1300±200rpm、実測してみると約1400rpmでした。

CPUクーラーはAinex IS-40X。高さ45mmでありながら公称TDP100W対応のCPUクーラーです。付いているファンは92cm角15mm厚のファンです。最高回転数は実測で2600rpm。トップフローなのでマザーボードに吹き下ろす方向に回転しています。

ファンとしてはこの2枚が付いています。また、マザーボードの上に付いているのが電源ですが、給気口をマザーボードの側に向けて取り付けています。ケース内から背面方向への簡易的な排気ファンとして機能しています。回転数の制御などは行っていません。

その他の通気口としては背面のPCIeスロット、バックパネルの周辺、右側面の排気口などがあります。

出典:PC-Q21

空気の流れは

  1. 底面から吸気
  2. CPUクーラーに吸い込まれてマザーボードに吹き下ろす
  3. 電源のファン、周囲の穴を通って排気

となっています。

底面のファンは常時回転させケース内を正圧に保っています。正圧とは周囲よりも圧力が高い状態のことです。これをしないと隙間からホコリ等が入ってきてしまいます。

全ファン 最高回転での温度

まず、ケースファン、CPUファンを最高回転で回したときの 計測結果を示します。

計測は以下の方法で行いました。

使用ソフト:OCCT
条件:OCCT 20分間(データセット大、スレッド使用数:自動、命令セット:自動)
ファン回転数:任意
室温:25℃~26℃
温度・動作周波数計測:HWiNFO(負荷開始18分後から19分までの1分間の平均)

CPUファン2600rpm、ケースファン1400rpmのファン最高回転固定の結果です。

条件平均温度最高温度
CPU:2600, Case:140076.6℃79℃

これを基準にファンの回転数を下げながら計測していきます。

CPUファンの回転数を下げていく

ケースファンは最高回転のままで、CPUファンのみ回転数を下げたときの性能を計測します。

CPUファンは最高回転2600rpmなので、ここから3000回転ずつ落とした以下の6条件を設定しました。

CPUファン:2300rpm、2000rpm、1700rpm、1400rpm、1100rpm、800rpm
ケースファン:1400rpm固定

計測中の温度変化は以下の図の様になりました。

1400rpmまでは温度は約80℃以内に抑えられていますが、1100rpmで80℃の枠を超えました。そして、800rpmでは一気に上昇し、90℃まで達していることが分かります。

以下は計測開始18分後から19分までの平均温度です。

最高回転の2600pmよりも2300rpm、2000rpmに落としたときのほうが温度が下がっていますが、こうゆうものなのでしょうか。計測時の外気温の差もあるかもしれません。

また、回転数を53%まで絞った1400rpmでも80℃以下に保っていることに驚きました。しかし、1100rpmを下回った途端、温度が80℃を超えてしまっています。

ここから以下のことが分かりました。

  • ケースファンで吸気を頑張ってもCPUファンが遅いと冷やしきれない。
  • ただし、吸気を頑張ったとしても温度低下には限界がある。
  • ある程度まで回転数を遅くしても冷却性能はそんなに変わらない。

ケースファンの回転数を下げていく

次にCPUファンは最高回転固定でケースファンの回転数を下げてみました。

CPUファン:2600rpm固定
ケースファン:1400、1100、950、800、500rpm

まず、温度変化を示します。

ぱっとみですが、CPUファンを変化させたときよりも条件間の温度差は少ないですね。

平均温度はこちらです。

平均温度で見ても、CPUファンを変化させたときのような急激な温度変化はありません。しかし、回転数を最高の67%である950rpmにした段階で80℃を超えてしまっています。CPUファンでは最高の半分程度まで絞っても80℃以下に抑えられていたのに対し、ケースファンはあまり遅くは出来なさそうです。

この検証から分かったことは以下。

  • ケースファンの回転数を下げるとじわじわ温度が上がっていく。
  • CPUファンを頑張って回してもケースファンが弱いと冷却できない。

次にCPUファン、ケースファンの両方を変化させたときの温度変化を計測し、最終的な最適な回転数を探っていきます。

CPUファン、ケースファン の最適な回転数を探す

ここまではCPUファン、ケースファンの片方を最高回転で固定し、他方を変化させることでそれぞれのファンが冷却性能に与える影響を調査してきました。

ここからはCPUファン、ケースファンの両方の回転数を下げていき、温度がどのように変化していくか調査していきます。

格子状に調べて行きたかったのですが、あまりにも時間がかかりすぎる。ということで、大体80℃付近にあるだろうという部分を重点的に調べました。

以下が計測結果です。GraphRというソフトで表示してみました。

x軸がCPUファンの回転数、y軸がケースファンの回転数、z軸にCPUパッケージ温度を示しています。70℃台が青、80℃では緑、90℃以上では赤色に変化していきます。

斜めからだと分かりづらいので真上から見た図を示します。

大まかにですが、CPUファン1700rpm、ケースファン1100rpmあたりまでは80℃以内に抑えられています。また、温度が低い領域がx軸に沿って広がっていることから、特にCPUファンには冷却性能に余力があると考えられます。

今回の計測は気温26℃付近で行いましたが、今後28℃、30℃での運用もあります。気温を見ながら主にケースファンの回転数を上げていくことで調節したいと思います。

まとめ

CPUファン、ケースファンのそれぞれの回転数を変化させたときのCPU温度を計測してきました。その結果、私の環境では温度を抑えつつCPUファン1700rpm(最高回転比-35%)、ケースファン1100rpm (最高回転比-21%) まで回転数を下げられることが分かりました。CPUファンと比べて、ケースファンの回転数が下がると温度が上がりやすかったことから、ケース内への吸気が重要であることが再認識できました。

マニアックな検証でしたが、誰かの参考になればと思います。では。また!

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